ヨーロッパ旅行のベストシーズン

ヨーロッパと一口で言っても南欧(イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ)、西欧(フランス、イギリス、ドイツ、スイス)、東欧(ポーランド、ブルガリア、ルーマニア)、北欧(スウェーデン、ノルウェー、デンマーク)とあり、それぞれ気候も違います。

またビーチ・リゾートでのんびり滞在を楽しみたいのか、色んな都市の観光名所や美術館を巡りつつ現地の食事やショッピングを楽しみたいのか、あるいはその全部を求めているのかという、個人の目的、旅行の時期によっても違ってくるかもしれませんね。

日本を旅行しにくる外国人にベストシーズンは?と聞かれたら、関東や関西に住んでいる日本人なら4〜5月、9〜10月を勧めるかと思います。6月は梅雨で雨の日が多いし、7−8月はうだるような暑さと台風がありますから。でも北海道や南九州にお住いの方はまた違った時期をお勧めするかもしれません。

ヨーロッパも同じく地域ごとに気候の特性があるので、地域別に記述していきたいと思います。

一般的には6〜8月の3ヶ月間がヨーロッパの観光シーズンで、南に行くに連れてその前後に1ヶ月(すなわち5月、9月)あるいは2ヶ月(4月、10月)を加えるといった感じですね。いろんな時期に旅行した経験上、暑いもしくは温暖な時期に旅行する方が楽しいし、記憶に残るということも特記しておきたいと思います。あくまでも個人的な意見ですが。


1. 南欧

南イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、それと南欧というと語弊があるかもしれませんが南フランス(ニース、カンヌ、モナコ、マルセイユ、モンペリエ)も含め、南欧のベストシーズンは4〜10月です。

ビーチリゾートに関していえば地中海に面したイタリア、ギリシャ、スペイン、南仏と、大西洋に面したポルトガルを区別した方が良いかもしれません。後者の方はアルガルベ地方がビーチリゾートになりますが、9月だと少々肌寒く感じたので、6−8月が良いと思います。

イタリア、ギリシャ、スペイン、南仏は5〜9月、あるいは街歩きとグルメが目的なら4〜10月が心地良い季節になります。7〜8月は年間で最も暑いとは言え湿気の多い日本と比べればカラッとしており日陰に入れば涼しいので凌ぎやすいです。

個人的にお勧めなのが9月です。欧州での夏休みが終わる時期なので観光客は減りますし、それに伴い飛行機やホテルの料金が相対的に下がる時期です。

間の1週間をビーチ・リゾートで過ごすバカンスの形

これから日本も欧州並みに2週間ほど有給が取れる世の中になっていくと予想されますが、間の1週間をビーチ・リゾート滞在とすると素敵なバカンスになりますね。日本からの飛行機が到着する空港は都市にあるので、いずれにせよ前後何日かは都市部を観光することになります。

これも人それぞれなのかもしれませんね。東京育ちの自分としてはパリやローマといった都市だけでなく、海辺の町に滞在した時に贅沢な気分になるので。これが神戸や伊豆など海辺に住んでいる方だと求めるものが違ってくるのかもしれません。

組み合わせとしては以下が考えられます。

パリ+南仏(ニース、マルセイユ、モンペリエ)

  ニースからはモナコやカンヌ、それから周辺の小さな村(エズ、グラッス、サン・ポール・ド・ヴァンス)に日帰りで足を伸ばすこともできます。

  マルセイユならエクサン・プロバンスやニームに日帰り旅行ができます。

ローマ+南イタリア(サルデーニャ島、シチリア島、プーリア地方)

  サルデーニャ島はオルビア、アルゲーロ、カリアーリ空港に着いてから周辺のビーチリゾートへ行くのが良いでしょう。

  シチリア島はパレルモよりタオルミナが洗練されていて良いと思います。

  プーリア地方はレンタカーでアルベロベッロやレッチェ、オストゥニやガリポリ等を周ると良いかもしれません。

リスボン+アルガルベ地方

  アルガルベ地方もレンタカーでいくつかの町を訪れるか、海に面したホテルでのんびり過ごすと良いですね。

アテネ+キクラデス諸島

アテネから電車でピレウス港にでてそこから船でミコノス島やサントリーニ島などエーゲ海の島々に行くと良いですね。


2. 西欧

フランス、イギリス、ドイツ、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、スイス、北イタリア(ミラノ、トリノ等はアルプスに近く気温は他の地域に比べ低め)等ですね。フランスでは次のような諺があります。

En avril, ne te découvre pas un fil ; en mai, fais ce qu’il te plaît. 4月は常に肌を露出しないように。5月は好きにして宜しい。

4月になると春の訪れとともに花々が咲き始め、それまで曇りがちだった空は太陽が出て暖かくなります。ついつい半袖で出かけてしまいますが、実はまだ涼しかったり、夕方には冷え込んだりして風邪をひいてしまうことがあります。これを戒めるための諺ですね。

観光シーズンは6−8月ですが、5月もとても快適です。9月になると急に曇りがちで肌寒くなります。枯葉が落ちはじめ秋になってしまいます。秋といっても日本のような紅葉や穏やかな陽光といったイメージではなく、ヨーロッパでは曇り空と雨、寒さといったイメージです。なので南欧のリゾート地を組み合わせるのでなければ9月を外して5−8月を選ぶのが良いと思います。


3. 東欧

ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、セルビア、ブルガリア、ルーマニア、アルバニア等ですが、このエリアには個人的にハンガリーを除いてあまり惹かれないため詳しくないので意見は控えたいと思います。

ハンガリーは海がない代わりに良質の水があるため温泉があることで有名です。そうなると夏場よりも春や秋に行くのが良いかもしれません。またこういう少し寂しい感じの方が東欧はしっくりくるように思います。3〜5月、9〜11月といった所でしょうか。僕は冬にも行きましたが雪の降る中 露天風呂に入ったり、お城の前の広大な屋外のスケートリンク(通常イメージするリンクの5倍くらいの大きさ)で滑ったり結構楽しめましたが。

かつてはオスマン帝国の版図の一部だったので(16〜17世紀)、当時パシャが浸かっていた温泉もありますし、オーストリア=ハンガリー帝国の一部だった(18世紀)名残で、アール・デコ装飾の華麗な温泉もあります。


4. 北欧

スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、エストニア、ラトビア、リトアニア、それからウクライナやロシア西部(モスクワ、サンペテルブルク)あたりですね。

スウェーデンでは夏場でも陽光を求めてベンチに座って胸をはだけて陽光を浴びるということを聞いたことがあります。日本の酷暑を避けて涼しい夏を過ごすには良いかもしれませんね。


まとめ

冒頭に記述した通り、一般的には6〜8月の3ヶ月間がヨーロッパの観光シーズンと理解して良いと思います。南に行くに連れてその前後に1ヶ月(すなわち5月、9月)あるいは2ヶ月(4月、10月)を加える感じで旅行する時期を選ぶのが良いかもしれません。

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