シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内へのアクセス方法は5つ。値段と便利さを考慮して選択すると良いかと思います。以下、お勧め順に記載します。毎年2月ごろインフレを反映して新料金が適用されますが、2025年1月には大幅な料金改正、システム変更が行われるので、最新データにアップデートしました。
なお、1回限り利用の「チケット」と、1週間または1ヶ月間利用のパスの2区分があります。チケットに関しては、Ticket Tという紙媒体のチケットと、Navigo Easyという非接触型(タッチ型)カードや、Android, iPhone上のアプリに保存する形の電子チケットの2種類がありましたが、2025年1月からは紙媒体のチケットは販売停止となるので、Navigo Easyを窓口で購入して(2€)自動販売機に乗せて必要枚数チャージする形になります。前回の旅行等で紙媒体のチケットを持っている場合、これも引き続き使えます。(携帯電話のアプリはフランス語にしか対応しておらず旅行者には少し難易度が高いと思われるので割愛します。)
チケット単体もパスもNavigo Easyにチャージするので、この物理的なカードは早い段階で入手しておくと良いかもしれません。写真不要、無記名で譲渡も可能です。最近パリを旅行した人でこれを持っている人がいたら貸してもらうのもありですね(ただしこれが導入されたのは2019年ごろからなので、近年フランスを旅行した人で持っていない人もいるかも。パリビジットを使ったかもしれないですし)。
フランスの他の都市とは違って、パリではメトロからバスやトラムへの乗り換えはできず、改札を出た時点で使った切符は無効になります。そこからバス、トラムに乗る場合には新たなチケットが必要になるのは2025年1月からも同じです。従来はTicket Tという共通のチケットですが、メトロ・RER用とバス・トラム用の2種類になります(繰り返しますが紙媒体のものは販売されず、どちらのチケットもNavigo Easyにチャージする形)。メトロ用は2,5€、バス用は2€です。
Navigoパスなら期間中これらの交通機関に乗れるので、1週間1−5ゾーンの購入をお勧めしますが、月曜から日曜という制約があり、チケットに頼らざるを得ないことも大いにあり得ますよね。
1人ならロワシー・バス Roissy Busが絶対お勧め

パリの公共交通機関RATPが運営するオペラ座行きバス(16,60€)。大型荷物を置けるスペースもあり、空調も効いていて快適です。
もちろん2人以上でも快適に利用できます。
所要時間60分(ただし夕方等パリ周辺で渋滞しやすい時間もあり)で、運行頻度は以下の通り。
5h15 〜 20h00 : 15分間隔
20h00 〜 22h00 : 20分間隔
22h00 〜 00h30 : 30分間隔
CDG第2ターミナル到着の場合アライバル・ゲートを出てすぐのロワシーバス乗り場で切符を購入します。CDG第1ターミナルに到着の場合は、ロワッシーバスのロゴを目印に進みます。
(なおパリ市内4ヶ所に行くエールフランス系のバスが2019年ごろ廃止されてからは皆このロワッシーバスを利用することになり混雑するようになりました。CDG T3 → CDG T2 → CDG T1の順番にターミナルを回ってからパリ市内に向かうので、始発であるターミナル3で乗り込むのが得策です。

ターミナル3はロワッシーポールにあるという認識で良いです。T1からCDGVAL(地下鉄のようなもの、無料なので改札もなし)に乗り10分ほどで到着します。

パリ観光に便利なオペラ座界隈で滞在を考えている方にはロワッシーバスを利用するのが便利かもしれません。オペラ座近辺には日本人街も存在しているためか、このバスの案内ではフランス語、英語に加え日本語での説明が記載されています。日本人に優しい交通機関と言えるかもしれませんね。
ちなみにロワシーとはシャルル・ド・ゴール空港のある場所の地名で、空港をこの名称で呼ぶパリっ子も少なくありません。
帰国に際し、CDG空港(第1〜第3ターミナル)に向かう時にも利用可能です。到着時に下車したのと同じ場所、オペラ座の裏手です。住所は 11 rue Scribe 75009 Paris(最寄駅は3・7番線の「Opéra」、オペラ劇場正面に向かって左側の道を進みます)。
Navigoは使用可能。以前の旅行で作成したNavigoのカードを所持している場合ロワシーバス乗り場の券売機でチャージして乗車することができます。2025年1月から、Navigoパスではロワッシーバスを利用することができなくなります。Navigo Semaine(1週間パス)もNavigo Jour(1日パス)も使用不可です。バス乗車地点の近くにある販売機でロワッシーバス専用券を購入することになります (24年12月末まで16,60€だったのが、25年1月からは13€と安くなりました!)。Navigo Easyにチャージするのであれば24年12月末まで14,50€、25年1月からは13€。
Navigo Semaine(月曜から日曜までの1週間)を購入予定の方はパリ市内に着いてから、メトロの窓口で作成すれば良いです。
1〜5ゾーンをカバーするパリ・ヴィジットは、2025年1月以降もロワッシーバス利用に使えます。
ル・ビュス・ディレクト Le-Bus Direct (旧エールフランス・バス)も 1人からお得に利用できる

22年5月現在廃止されています。観光需要が高まって復活した時のため記載は残しておきたいと思います。
パリのメトロではエスカレーターのない駅もざらにありますから、駅構内で昇り降りすることなく市内に行けるのはかなり楽です。降りて徒歩で行けるホテルに滞在するのであれば便利この上ないですね。「バス」と言っても吊り革があってぎゅうぎゅう詰めになるようなものではなく、観光バスのスタイルで至って快適です。
行き先は以下の4つです。
行き先 | 呼称 | 料金 | 運行頻度 |
凱旋門 | Ligne 1 | 12€ | 20分間隔 |
エッフェル塔 | Ligne 2 | 18€ | 30分間隔 |
オルリー空港 | Ligne 3 | 22€ | 25〜40分間隔 |
モンパルナス* | Ligne 4 | 18€ | 30分間隔 |
*最初の停車はパリ・リヨン駅前で、最終停車場がモンパルナス。
標識に従ってLE-BUS DIRECTの乗り場の方に行くと、CDG1の場合は待合室の中、CDG2は乗り場の手前に発券機があります。切符はそこで購入します。クレジットカード清算です。
インターネットで事前に購入しておくことも可能です。
往復で購入すると割得になりますが、道路を走る訳なので朝7−9時や夕方17−19時頃に利用する場合は、渋滞の可能性があることは認識しておいてくださいね。
往復券を購入せず、市内から空港行きのル・ビュス・ディレクトを乗車する場合、停車場の係員から購入します。クレジットカード精算も可能です。バスの運転手から購入する場合は1€増しになります。
Navigoは使用不可。
2人ならタクシーで

タクシーは市内の宿泊場所(ホテル、AirBnB等)まで連れて行ってくれるので、バスやメトロの場合のように降車後 道に迷わずに済みます。
しかもパリ市内であれば定額なので安心して利用できます。昔の海外旅行談で聞くような、知らない道をぐるぐる回ってぼったくられたなんてことはありません。
右岸(セーヌ川の北側)であれば56€、左岸(同 南側)なら65€です(24年12月現在)。割り勘できる人と一緒なら検討してみて良いかもしれません。下の図でパリ市内(薄青部分)オレンジ色で示された値段はこの範囲内どこで降りても定額。青字で記載された値段は推定額です(タクシー通常料金なので、利用時間によっては夜間追加料金がかかることも了承しておいてください)。

荷物を引き取ってアライバル・ゲートを出るとタクシー乗り場、バス乗り場、電車の方向が記載された標識があります。これにしたがってタクシー乗り場へ行けばOKです。
郊外に宿泊する場合は定額料金が適用されず、メーターによる通常料金がかかってしまいます。CDG空港からxxまでと入力するとおおよそのタクシー料金が表示されるアプリ(Rom2Rio等)を使って試算することをお勧めします。場合によってはロワシーバスでオペラ座まで行き、あるいはRER B線やA線でできるだけ宿泊地に近い所までアクセスし、そこからタクシーに乗る、ということも検討しても良いかもしれません。

ターミナル2Eのゲートを出た所にある標識
上の写真はCDG2Eのものです。タクシー乗り場は右に進んですぐの場所にあります。CDG1も同様の標識がありますからこれに従えばOKです。
注意! 時々空港内で Taxi?と言ってくる客引きもいるようです。このようなタクシーに乗ってしまうと普通のメーターで課金されますから高くついてしまうことになりかねません。特に17時以降のパリは渋滞することが多いのでどんどんメーターが回ってしまうこともあり得ます。上記のように空港のタクシー乗り場のタクシーに乗るのが一番です。
3人以上ならハイヤーを
運転手つきのレンタカーですね。当日タクシーを待たなくて済むのと、料金が予め分かっているので安心というメリットがあります。またアライバル・ゲート(荷物を引き取った後)を出た所で、運転手がパネルを持って待機してくれるので、乗り場を探すのに迷うこともありません。
パリ市内なら、タクシーと同じくらいの料金(60〜70€くらい)の筈です。3人でシェアすれば1人約20€ですね。ミニバスで他の旅行客と一緒だと若干安くなりますが、数ユーロの差であれば自分たち専用の車を手配すると良いかもしれません。
ハイヤー会社だったり個人営業のものもいくつか選択肢があります。例えばユールキャブというWebサイトを見てみると、他の利用者による評価や値段を参考に決めることができます。出発地(例えばCDG Terminal 2E)、行先(例えばホテルの住所)、利用日時を指定して次に進むと選択肢が出てきます。
フライト情報(到着日時、航空会社、便名等)を伝えておけば、飛行機の到着が遅れた場合も確認できるのでお互いに安心です。
もちろん帰国に際し空港行きを手配することも可能です。それにしてもこういうのがインターネットで個人で手軽に予約できるとは便利な時代になったものです。
最安でパリ市内に行くなら高速地下鉄RER(エール・ウ・エール)B線

一番安くパリ市内に行きたいのであれば、到着ゲートから乗り場まで少し距離がありますが(大部分は歩く歩道)、RER B線です。空港ーパリ市内のチケットは2024年12月現在11,80€、2025年1月から13€になります。帰国時に道路だと渋滞が心配で利用する人もいます。
Navigo Easyを窓口で購入して(2€)、自動販売機で「Tocket Paris Région <> Aéroport」というチケットを購入します(Navigo Easyを端末の指定場所に置く→画面を操作して上記チケットを指定→クレジットカードで支払い→チャージされた旨画面に表示されたらNavigo Easy を引き取る)。
シャルル・ド・ゴール空港からパリ北駅 Gare du Nord までのパリ北部は低所得層、移民が多く住む地域ですが、日中に利用する分には人も多くいるし危ない目に会うことはないかと思いますが、留意するに越したことはありません。
パリ・リヨン駅に行く場合、レ・アール駅 Les HallesでB線を降り、そのままホームを横切ってA線に乗りかえられるのでスムーズです(逆方面だとエスカレーターで上に登ってから該当ホームに降りる必要がありますが)。
改札を出るまで有効なので、パリ市内に着いた後 RERからメトロに無料で乗り換えることが可能です。
上記はチケット単体を購入の場合で、1週間または1ヶ月有効のパスであるNavigo découverte(5ゾーン)も使用可能です。Navigo jourは使用不可。
パリが初めてでNavigoのカードを購入しなければならない場合、購入場所が少々分かりづらいので別記事で説明してあります。
余談ですが、RERは1文字ずつ発音するとエール・ウー・エールですが、つなげてエールーエールと言えば良いです。Rの音を発音できると完璧ですが。
6. 終わりに
ロワシーバスで直接行ける場所(オペラ界隈)に滞在する場合は、1人でも複数でもこれらの直行バスを利用すると便利ですね。女性の一人旅なら特にお勧めです。
複数での旅ならタクシーやハイヤー(個人・法人)で、1人あたり料金は上記とあまり変わらず、他のお客さんとは一緒にならずに済みます。目的地で降ろしてくれるので宿泊場所を探す手間が省けるのは大きいです。
Navigoを最大限活用したい場合や帰国時に渋滞の心配をしたくない人はRERとメトロを利用するのが良いかもしれません。
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“シャルル・ド・ゴール空港からパリ市内への行き方(2025年1月改訂最新情報)” への1件の返信
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