【マルセイユ・グルメ】ブイヤベース・おすすめレストラン3選

マルセイユ に来たからには一度はブイヤベースを食べたいもの。言わずと知れたご当地グルメの代表ですから。毎朝旧港に荷揚げされ魚市が立つマルセイユ 、その新鮮な魚を使った本格的ブイヤベースを是非とも味わいたいものです。

 

 

ブイヤベースとは?食べ方は?

ブイヤベースBouillabaisseは煮るという意味のBouillir、そして(水位等が)下がるという意味のà baisseの2つの単語を組み合わせた料理名。まさに「煮込む」といった意味合いで、実際魚をじっくり煮込んだ濃厚なスープがその特徴です。

まずは前菜にこのスープが供されます。カリカリに焼いた小さなパンと、ルイユという赤オレンジ色のソース(この色合いはサフラン、パプリカ、ピマンデスプレットによる)が付いてきます。アイオリ(ニンニクを混ぜ込んだマヨネーズ)が付いてくることもあります。パンにこのルイユまたはアイオリを塗っていくつかスープに浮かべ、スープに浸ってある程度柔らかになったのをスプーンですくって食します。

食べ終わると再びスープが追加され、これでもかという位に魚が盛られたプレートが運ばれてきます。日本の魚料理だと魚1尾で一人前の感覚だと思いますが、それが4種類も乗っています。4人前を平らげなければならない訳ですね。大喰らいの自分でも最後は残してしまった程です。

2−3人位でシェアしてちょうど良い位ですが、残念ながらこれはできません。食べきれず残すのももったいないという方は諦めて他の魚料理を注文し、同行者が注文したブイヤベースを味見させてもらって満足するしかないかもしれません。

秋・冬の寒い時期に頂くと体が温まって良いですね。でも夏の海水浴が楽しい時期にマルセイユに行く方も多いと思います。涼し目の日を狙って(天気があまり良くない日など)行くのも良いかもしれませんね。

夏の酷暑が収まった頃、それでも日中28度くらいする時にブイヤベースを食しに行ったことがありますが(シェ・フォンフォン)、弱目ではあれど冷房が効いていたので、幸いそれほど暑苦しい思いはしないで済みました。フランスではクーラーのない所が多いので、一応留意しておくと良いかもしれません。

高級料理店が多いのでボトルワインも結構な値段になります。ミネラルウォーター1本と、グラスワインを1人1つ注文すると良いかもしれません。

さて、では本題に入りたいと思います。タビリオがおすすめするマルセイユ のブイヤベース・レストラン3選です。

堂々1位ランクインはシェ・フォンフォン

シェ・フォンフォンの店内の様子。夏なのに大盛況。

従来は必ずと言っていいほど旧港に面したミラマールMiramarが筆頭、シェ・フォンフォンは2〜3番目に紹介されることが多かったのですが、ミラマールはあまりにメジャーすぎるのと強気な値段設定のために最近のブイヤベース・レストラン紹介記事では順位が下がっているように思います。

それに引き換え現在の人気ナンバーワンはシェ・フォンフォン。このタビリオ・サイトでは必ずしも最高級でガイド・ブック等で推薦されているものではなく、自分で経験して本当に良いと思ったものをお勧めしています。それがたまたま高級な有名店だったということです。

シェ・フォンフォンは高級料理店でブイヤベースもそれなりのお値段です。しかしブイヤベースの濃厚な味、ヴォリューム、サービス、景色、どれをとっても大満足なので1つだけ行くとしたらここがお勧めです。(宣伝しなくても多くの観光客が来るので、特に推薦する必要もないのですが…。)

ブイヤベースは1人62ユーロ(23年2月現在。21年10月には55ユーロだったのが近年のインフレでこの値段に)。まず魚のスープが供され、これにルイユやアイオリを塗った乾燥パンを浮かべて食します。スープはおかわり自由です。まもなく魚やジャガイモの乗ったプレートが出てきますから、適宜スープに入れ、これをメインとして頂きます。

かなりヴォリュームはありますが、複数人でシェアすることは不可。少食の方は他のものを注文し、ブイヤベースは相方のを味見させてもらうと良いかもしれません。

シェ・フォンフォンへの行き方
ヴィユ・ポールVieux Portからバス83番に乗りVallon des Auffes下車。通りの向かいの通路を通り、階段状になった道を降りた左手。
140, Vallon des Auffes 13007 Marseille
営業時間:12−14時、19−22時
予約:+33 (0)4 91 52 14 38、サイトからも簡単に予約できる(シェ・フォンフォンのサイトで右上にある「BOOK ONLINE」を押して、人数、日時、そして名前を入力)

レ・ザルスノー Les Arsenaux

レ・ザルスノーの落ち着いた店内

別記事「マルセイユのおすすめレストラン5選」で筆頭に紹介したレストランになります。ヴィユ・ポール界隈にあって便利な立地、素敵な内装、本格的なブイヤベースでありながら価格は1人前33ユーロ(23年2月現在。21年10月32ユーロでしたが、インフレは極力抑えているようです)と良心的。

1980年創業で老舗という訳ではありませんが、グルメに関心のあるマルセイユ市民の間でも定評のあるレストランです。名称は、もともと海軍工廠Arsenalのあった場所であることに由来しています。複数形でarsenauxとなります。

他にも魚料理が充実したお店です。メニューはこちらから見ることができます。ブイヤベースを1品、あるいは前菜とメインを1品注文すると良いでしょう(アラカルトの他「本日のコース」もあります)。飲み物は各自グラスワイン1つ、そしてテーブルで1つミネラルウォーターを1本注文すると丁度良いと思います(お昼ならミネラルウォーターでなく普通の水でも違和感ありません。カラフ・ドーと言えば通じます)。

レ・ザルスノーへの行き方
ヴィユ・ポールVieux Portから徒歩7分。
25 Cours d’Etienne Orves 13001 Marseille
営業時間:12−14時、19時30分−22時30分、日曜定休
予約:+33 (0)4 91 59 80 30、またはこのサイトから

ペロン Perron

心地よい眺めと共に食事

シェ・フォンフォンからそれ程遠くない場所、海辺に面した所にある高級料理店です。海に面して大きなガラス窓があり絶景です。岩場に張り出して設けられているので、大きく取ってあるガラス窓のすぐ下は海です。正面にはイフ島、フリウル島が見え圧巻です。素敵な場所で洗練された料理に舌鼓を打つ…、こんな贅沢な時を味わえるのが、ここペロン。

ブイヤベースはとても洗練された味です。1人69€と高いのですが、サービスといい雰囲気といい、申し分なしです。3つに厳選したこの記事でなぜ最後に挙げたかというと、値段的に少々敷居が高くなってしまうため。コストパフォーマンスの要素を除けばここペロンの方を高く評価する人も多いと思います。

量は高齢の方でも完食できる1皿です。量より質という訳ですね。もともと漁師のための大衆的な料理だったものが、ここまで洗練された味になるまで進化を遂げたという意味でもとても魅力あるレストランです。

ペロンへの行き方
ヴィユ・ポールVieux Portからバス83番で10分、Corniche Frégier下車、徒歩1分。
56 Promenade Corniche John Kennedy 13007 Marseille
営業時間:12−14時、19−22時
予約:+33 (0)4 91 52 15 22、またはこのサイトから(ランチ特価のものを選ぶとブイヤベースを注文することができないので、「Réservation simple」を選ぶ)

あとがき

如何でしたでしょうか。マルセイユでブイヤベースといえばミラマールシェ・フォンフォンを挙げる人が多いと思います。この記事ではシェ・フォンフォンの方だけを紹介しましたが、金銭的に余裕のある方はミラマールと食べ比べしてみても良いかも。ミラマールは旧港に面し、テラス席の場所によっては丘の上のノートルダム寺院も眺めることができるかもしれません。夜も同じ値段なので、ライトアップされたノートルダム寺院を見ながら食事するのも良いかもしれません。

リーズナブルに一流のブイヤベースを食すことのできるレ・ザルスノー、海に面し絶景のペロンと共に、同郷の日本人にお勧めしたいレストランを3つに厳選してご紹介しました。あくまで個人的な見解ですが、参考になればと思います。

この他にも定評のあるブイヤベース・レストランとして、シェ・ミシェルChez Michel (カタラン・ビーチの真向かい、6 rue des Catalans 13007 Marseille、ブイヤベース78€)、ル・リュールLe Rhul(269 Corniche John Kennedy 13007 Marseille、ブイヤベース 61€、オマール海老入り71€)もあります。

因みに、あるフランス人グルメが挙げるブイヤベース5選では、Chez Michel、Chez Fonfon、Le Miramar、Le Rhul、L`Esplaï du Grand bar des Goudesとありました。値段の順なのか、彼の評価順なのかは不明ですが。