キッチン収納 お洒落で機能的に

日々使う台所、何かと物が溢れて生活感丸出し、片付けても何かスッキリしないという方、YouTubeで他のお家を拝見するとモデルルームかと思うような台所もあります。如何にキッチンをオシャレに、そして使いやすいスペースにするか一緒に考えて行きましょう。

1.収納スペースを確保してスマートなキッチンを目指す

1-1. ミニマリスト的収納

Photo by: Zackariah Cole (http://zackariahcole.com)

日本でミニマリストというと最大限に断捨離して如何に物を減らすかに重点が置かれているように思います。不要なものを捨てるのは家をスマートにするための第一歩ではあるのですが、せっかくお揃いの茶碗や湯呑みがあるのに、1年以上来客がないので1つを捨てもう1つは自分用に取っておく、というのを動画で見た時はなんか寂しい感じがしました。家を綺麗にしたら友人を招いて楽しい時間を過ごしたいもの、一人暮らしなら食器は2つずつ、カップルで住んでいるなら4つといった具合に多めに揃えておいても良いと思います。

欧米のミニマリスムは視覚的なシンプルさを追求していると思います。交友関係を犠牲にして一人で最低限の生活を追求するのとは正反対です。キッチン全体の色を統一し、キッチンカウンターにはほとんど物がなく全て収納棚や引き出しに収まっている、収納内部を見てもたくさんのものがあるけれども、統一された容器に入っているためスッキリしている等、工夫することで物がたくさんあるにも拘らず、スッキリ片付いています。もちろん友人を招いて一緒に食事を楽しむといったライフスタイルも維持しています。

ここでは欧米式のミニマリストを目指すことにしましょう。結果的にお洒落で機能的なキッチンが実現できる筈です。まずは使う食器、賞味期限の切れていない調味料だけをとっておき、後は捨てるか友人・家族に上げるなど、断捨離から始めましょう。

1-2. 収納スペースの確保

収納スペースがなければ片付けようがありません。手が届きにくい程上にある戸棚とシンク下にしか収納スペースがないような場合、コップやお皿を収納するのはあまり機能的ではないですね。

ワンルームなど居間から台所が見えるような場合は、カラーボックスを2つ購入、台所側に向けて置き、その上に厚めの板を置くだけで、収納場所に加え料理する作業スペースも増えて一石二鳥です。居間側に椅子を置けばそこがテーブルになります。DIYが得意であればカラーボックスの裏側に板を張り付けてお洒落な空間にできますね。

下のような奥行き30cmのものが多くあります。既にある収納庫(シンク下、コンロ下)の扉の色に合わせ、茶色系にするか白にするか決めると良いですね。下のモデルは白や黒、木目調など選べてなかなか良さそうです。

2つのボックスを離して置き(真ん中には高さを調整できる椅子を置く)上に載せる天板をイメージして長さを測った上で買いに行きましょう。IKEAなら奥行き40cm表面加工を施したものがあると思います。DIYが苦手な場合でも、L字金具をネジで止めれば天板は固定できますね。それも難しければ強力テープを使っても良いですね。天板の裏で見えない場所ですから。両面テープを貼るのも躊躇われる場合は「ひっつき虫」を使う手もありますよ(少なくとも4隅+真ん中)。

1つのカラーボックスに3段あるので全部で6段の収納スペースができたことになります。コップやお皿、食品や調味料、食器拭きやランチョンマット、弁当箱等片付けられますね。

普段使う調味料は詰め替える(後述)などして、すぐ取り出せる場所に置くとして、詰め替え後に容量の残ったボトル、使用頻度の高くない調味料はあまり使い勝手の良くないシンク下にしまいましょう。ターンテーブルを入手すれば必要な時に取り出しやすくなります。

2. 収納のコツ

2-1. 調味料の詰め替え

サラダ・オイルやオリーブ油、ごま油のような油類は液垂れしやすく、指がベトベトになることが多いと思います。また醤油もお得用のボトルは大きすぎて毎回使うのには機能的に向いていません。普段料理に使うもの(醤油やサラダ油等)は小型の瓶に詰め替えましょう。

お勧めなのが下の商品。液垂れせず、注ぎ口も使いやすい形状です。調理用にも使えるし、食卓に出しても違和感ありません。オイルにも使えますから3〜5本ほど購入すると良いかもしれません(醤油、みりん、お酢、サラダ油、オリーブ油等)。

スパイスやシーズニング類が好きな方は以下のような容器で統一すると統一感が出ますね。使用時にドバッと粉が飛び出てしまわないよう開口部で調整できる物が使いやすいと思います。

2-2. 1アクションで取り出せるように収納

アクション数が増えれば増えるほど、出すのも片付けるのも億劫になります。引き出しを開けてさっと取り出せればワンアクションで済みスムーズです。これだけでも実際には「開く」「取り出す」「閉める」の動作なのですが。

扉を開けて、上のお皿を持ち上げて下の皿を出すとか、前のボトルをどけて後ろにあるものを出すのは避けるようにしましょう。

ただし、詰め替えを行う場合は詰め替えきれなかったストックが必ず発生します。これら2軍のものは後ろに隠してしまって問題ありません。

上の写真は、幅60cmの釣り戸棚の内部を少々アレンジして(自作コの字ラック)全ての調味料を1つの場所にまとめて収納したものです。普通3段になっていると思いますが、下2段を低めの4段に作り替えることで、多くの1軍を全面に出しています。


1.ホームセンターで幅30cmx長さ90cmx厚さ1.5cmの板を買って15cm、7.5cm、7.5cmの3つに切ってもらう。
2.自宅で釣り戸棚の幅にノコギリで切る(例えば56.7cm)。
3.両脇の足の部分を作る。56.7x15x15を2枚、56.7×7.5×7.5 を4枚。
4.足になる部分を両脇に置いて板を載せる。奥行き15cmのものをまず奥に設置し、その上に奥行き7.5cmの「コの字ラック」、手前に7.5cmのラックを置く。

釘で固定しなくても特にズレたりはしません。板を載せるだけで充分です。市販のものだと高さや奥行きが決まってしまっているので、端から端までとか、この位の奥行きのものが欲しいと思っても商品自体が見つからないことがあると思います。

ターンテーブルを使って棚の奥のものを取りやすくする方法もあります。奥のスペースが有効に使えて便利です。

2-3. 立てて収納する

立てて収納することにより省スペースにもなり、引き出し・扉を開けた時に一目で何がどこにあるかが分かる様に収納することで探す手間が省けます。前項の「1アクションで取り出せるように収納」にもつながります。

引き出しの中にボックスを置くのは日本ではよく知られた収納術ですね。上の写真ではIKEAでゴミ箱として売られているものを3つ置き、その手前と横に計量バランスや厚焼き玉子用フライパン等を配置したものです。

付記すると、ボックス内の仕切りも丁度良いサイズのものを見つけるのは困難かと思います。その場合はジュースの空き容器を10cm程に切って使う手があります(器具の2/3が隠れる位が高さの目安)。四角い仕切りが必要であれば、厚紙でできた空き箱を10cm位の高さに切って使えば良いですね。

奥には細長の整理ボックスを置いて、立てるには高すぎる器具を斜めに収納、その横と手前にフライパンの蓋、ザルを立てかけています。

モノが多いのでこれでも雑多な感じは否めませんが、使いやすさは格段に向上しています。

2-4. キッチンカウンター下の収納庫の有効活用

キッチンの作業スペースは、シンク(流し台)、食材処理スペース(肉や野菜を切る等)、コンロ(調理)の3つに区分できると思います。キッチンカウンターの下はこれに対応させて収納しましょう。

シンク(流し台)の下は醤油やサラダ油等大きなボトルを保存するのに適しています。コップやお皿を下の方に置くのはちょっと違うなと思いますよね。流し台と言えば水、ということでシンク下には液体の入った容器を保管するわけです。

よく使うものは小型の瓶に詰め替えてあるので、普段はあまり使わなくて済む筈です。

コンロ下がオーブンでなく収納スペースになっているのであれば、ここにフライパンやお鍋を収納しましょう。コンロで使うものという訳です。積み重ねるだけだと上のものを持ち上げないと取り出せないので下のようなフライパンラックを使用すると便利です。

毎回同じものを使う場合でも洗って乾かした後は、調理器具だけでもすぐに拭いて片付けてしまうのを心がけると見た目スッキリしますよ。

調理スペース下は引き出しになっているかと思います。上段はカトラリー(スプーンやフォーク、箸など)を収納。60cm幅のゆったりした引き出しであればここに包丁を入れてしまうのもありです。

IKEAで購入したカトラリー&ナイフ収納トレイ

3. 器具や収納アイテムの買い替え

3-1. 水切りかごの選定

日本の流し台は広くて使いやすいですよね。でも反対に洗った食器を置く部分が少ないように思います。下のような水切りかご(1つ目)であれば、伸縮自在の支えで流し台の中に橋渡しすることができます。流し台の内側にセットする訳なので、すぐに拭いて片付けなくても散らかり感、出しっぱなし感が抑えられますね。

流しの横に置いておけるスペースがある場合はトレイ付きタイプも良いですね。トレーがついていて水をシンクに流す弁のついたものや珪藻土でできたトレイ付きのものもあります。

3-2. 引っ掛け収納

水回りのボトルは直置きすると底面のぬめりを定期的に洗わなければならないといった面倒があるので、引っ掛け収納する人が増えてきました。キッチンはそれに加え洗剤やスポンジもあり雑多になりやすいため、これらをまとめてシンク上の壁に収納してしまうと見た目スッキリします。↓こんな感じです。

釘なしで吸着するキッチン収納アイテム(IKEA)

洗剤は結構重く、プッシュして使うのでかなり重量がかかりますが、しっかり壁に固定されています。

シンク上にゴタゴタ置いてあるのと比べ見た目がスッキリしています。洗剤ボトル、食器洗い用スポンジ、水しぶきを拭き取るためのスポンジ、ボトル洗浄のためのブラシが収納されています。

コロナ予防のため、玄関口に近い台所ですぐ手を洗えるよう石鹸だけは置いてありますが。

3-2. 調理器具の買い替え

ここまでキッチンが整然としてくると、おそらく細かいことまで気付くようになると思います。例えば鍋やフライパンを統一したものにしたいとか、フライ返しやおたま、包丁等も同じメーカーのものに揃えたくなるでしょう。

鍋・フライパンなら思い切って全取っ替えもありですね。例えばフランスのティファール社から出ているこれ。お洒落な外観と取り外し可能な取手で収納もしやすく、そのままテーブルに出すことも可能、蓋付きなのでそのまま冷蔵庫に保管することもできます。

ティファール社はフッ素加工した調理器具(黒いコーティングが施されている)で知られています。このような加工がされたフライパンを使う場合は表面を傷つけないようシリコン製や木製の器具を使いましょう。金属製のものは使用不可です(鍋の方は表面もステンレスなので使用可能)。また洗う時もゴシゴシ擦るのは禁物です。

フライ返し等の調理器具は下のようにセットになったものがあります。統一感があるし、必需品が揃っているので安心です。フライパンのコーティングを傷付けにくい素材が使われています。よく料理番組等でシェフが使うトング(料理素材を挟んで裏返したり、パスタをサーブするのに使用)が含まれているのもポイント。

包丁もセットになっているものを購入してしまえば迷わずに済みますね。例えば下の商品。セラミック製で大きさもそれぞれ揃っており、ハサミ、ピーラー(皮むき器)までついています。

合わせて引き出し収納用のナイフブロック、あるいはキッチン台に置くタイプのナイフスタンドを購入すれば申し分なしです。

あとがき

如何でしたか?最初だけ少し出費がありますがこれで人生の残りを快適に過ごすことができるなら素敵なお買い物だと思います。

後は自分なりに使いやすさ(機能性)と見た目(美意識)でキッチン台に何を残しておくか、各棚をどのようにオーガナイズしていくか決めていくと良いですね。