パリ・リヨン駅界隈に宿泊するのがパリ観光に最適な8つの理由

空港ー市内、また市内での移動に便利な交通手段が揃っていて、ルーブル美術館や凱旋門、新開発エリアのベルシー地区やプランタン等のデパートにも直通で行けるなど、このリヨン駅界隈に滞在するのは戦略的に賢い選択と言えます。このエリアの特徴をまとめてみました。

1. 空港からのアクセスの良さ

シャルル・ド・ゴール空港から直通バスのLe-Bus Direct (旧エールフランスバス)の4番モンパルナス行きに乗れば直通でパリ・リヨン駅に行けます。日本からの長旅の後、パリ市内に着いてすぐにホテルにチェックインできるのは有難いかも。(22年5月現在、ルビュスディレクトは廃止されています。)

RER B線とRER A線を乗り継いでもリヨン駅に行けます。乗換えはレアール駅でホームの反対側に行くだけです。階段やエスカレーターで昇り降りする必要はありません。

複数での旅行であれば空港から滞在先までタクシーを使うという選択肢もありますね。セーヌ河右岸(北側、パリ・リヨン駅がある)なら一律53€です。スーツケースを引いて交通機関を使わなくて済みますから。

2. 市内交通の便利さ

2.1 メトロ1番線、RER A線の停車駅

凱旋門のあるエトワール駅 Charles de Gaule Etoile までRER A線で直行で行け、シャンゼリゼ大通りを徒歩で下って行き、どの駅からでもメトロ1番線に乗ればリヨン駅に戻ってくることができます(パリ観光が初めての方は初日に凱旋門からシャンゼリゼ大通り、テュイルリー公園を通ってルーブル宮まで、お店を覗いたりカフェで一休みしながら街歩きするのをお勧め)。

パリの中心街レアール Les Halles や新凱旋門のあるデファンスLa DéfenseもRER A線で行けます。

ルーブル美術館シャトレ・レアールコンコルド広場テュイルリー公園バスティーユも全てメトロ1番線沿線。

 

2.2 メトロ14番線の停車駅

メトロ14番線で直通のピラミッド駅 Pyramideで下車するとオペラ大通りAvenue d’Opéra中腹に出ます。

オペラ・ガルニエ

緩やかな坂を登るとオペラ座に着きます。

オペラ座の裏手にはギャラリーラファイエットプランタン等のデパートがありますからお買い物をするのにも便利です(最寄駅は7番線のショセ・ダンタンChaussé d’antan駅。14番線でピラミッド駅に行き7番線に乗り換えても良いですが、1駅なのでピラミッド駅から徒歩で行っても良いですね)。

ギャラリーラファイエットはRER A線のオベール Auber駅からもすぐアクセスできます。

ピラミッド駅から反対にセーヌ川の方に下りていくと、テュイルリー公園ルーブル美術館の間に出ます。

ルーブル美術館の入り口はご存知の通りガラス張りのピラミッドです。

火曜日は定休です。

リヴォリ通りの入り口からカルーゼル・ショッピング街に入れます。火曜日もお店は営業しています。

その突き当たりがこの逆さピラミッド。

ルーブル美術館にはここからもアクセスできます。普段は行列ができていますが、地上のピラミッドの入り口よりは人が少ないです。

ピラミッドを前にしてCafé Marlyというカフェがルーブル宮の一翼にあります。室内のテーブルもとても雰囲気が良いですが、テラス席で心ゆくまで正面のピラミッド見ながらお茶を頂くなんてとても優雅でいいですね。

メトロ14番線では新開発されたベルシー地区Bercyにも直通で行けます。クール・サンテミリオン Cour Saint Emilion駅で下車すると、かつてワイン倉庫街だったのを改造してできたお洒落なレストランやブティックが立ち並ぶベルシー・ヴィラージュがあります。(ヴィラージュは「村」の意味で、屋外の道を挟んで両側に店の立ち並んでいるのを村になぞらえているのだと思います。)

↓こんな感じです。

南仏の香水メーカー フラゴナールのお店

上記は全てメトロ交通網のメリットですね。他の場所に滞在していてもメトロやバスを乗り継いでどこにでも行けますが、乗換えは意外と時間・体力のロスになるし、直行で行けるのとそうでないのでは気分的に全く違います。

3. TGVで南仏へ

パリ〜リヨン〜マルセイユを結ぶフランス国鉄最初の長距離線の始発駅です。TGVマルセイユまで約3時間ニースまで約5時間で行けます。

欧州各国からこぞってバカンス客が訪れるニースや、かつての船旅での玄関口でモダンな街に生まれ変わりつつあるマルセイユを旅行に組み合わせるのであれば、パリ・リヨン駅周辺に滞在するのは戦略的にグッド・チョイスですね。

パリ・リヨン駅の時計塔

パリ・リヨン駅で目を引くのは何と言っても時計塔 la Tour-Horloge。パリ〜リヨン間は既に1849年に開通していましたが現在の位置に移され時計塔が建設されたのは1900年パリ万博の時です。

高さは67メートル、てっぺんのドームは亜鉛素材で覆われています。文字盤の直径は6.4メートル、面積は140平方メートル、時刻はローマ数字で表され、1メートルの長さ。針はアルミニウム製で長針は重さ38kg、長さ4メートル、短針は26kg、長さ2.8メートル。

199912月の嵐により機能停止していたのが、2005年に修理・改善、メカニズム自体は原型を維持しながら、近代的な動力システムおよび時刻同期システムが導入され、正確なフランス標準時を刻んでいます。また文字盤もこの時に電気照明になりました。

4. 豊富なカフェ・レストラン

駅前にはテラス付きのカフェやレストランがいくつもあります。

リヨン駅前のカフェ、レストラン

迷うようならーロペアンL’Européenというブラッセリーに行くと良いかもしれません。

駅構内には有名なトラン・ブルーTrain Bleuもあります。値段は少々高めですが、天井画といいテーブルの誂え方といい、かつてオリエント急行が走っていた時代に富裕な方達が旅行のひと時を過ごしていたんだろうなと思わせるような優雅な雰囲気が漂っています。

パリ・リヨン駅構内のトラン・ブルー
ビフテキがメインのHippopotamsの向こうがムール貝専門のLéon

気軽に入れるお店としては、ムール貝の料理で有名なレオンLéonというレストランがあり、バスティーユ広場からすぐの場所にあります。

ビールと合わせて食す人が多いようです。貝殻で身をつまんで食すという独特な方法で食べるので、他のフランス人客の食べ方を観察して試してみると良いかもしれません。

お肉が大好きな人はカバのマークのイポポタミュスHipopotamusへ。2つとも気軽に入れるチェーン店です。

またバスティーユ(メトロで1駅、徒歩でも10分以内の距離)はパリのお洒落な若者が集う場所でもあるので、適当に歩いてみて客入りの良いレストランに入ってみるのも一興です。

バスティーユの高級レストランとしては、格式あり落ち着いた雰囲気のフランス料理店ボーファンジェBofinger (5-7 rue de la Bastille)があります。

格式のあるフランス料理店ボーファンジェ

タイ料理のエレファン・ブルーEléphant Bleu(43-45 rue de la Roquette)というレストランもあります。この国でタイ料理は高級でお洒落なイメージで、白ワインと共に食事を楽しむ人が多いようです。

5. お店

エリック・カイゼルーリヨン駅前店

パリ・リヨン駅を出て左斜めに行くとパン屋兼サロン・ド・テのエリック・カイゼルがあります。東京ミッドタウンや銀座の松屋など東京に12店舗ほどあるのでご存知の方も多いかもしれません。

パン職人の息子が添加物を使用しない良質のパン作りを手がけ、1996年左岸のモンジュ通りで操業開始。2001年 東京に支店を開いたのを皮切りに瞬く間に世界中にビジネスを展開するまでになりました。

ここはパリに複数店ある内の1つでサロン・ド・テも併設していますから、一休みにお茶するのも良いかも。

バスティーユには、フランス料理シェフのアラン・デュカスAlain Ducasseがプロデュースするチョコレート店「マニュファクテュール Manufacture」もあります。ロケット通り40番地 (40 rue de la Roquette 75011 Paris) の中庭を入った奥です。

チョコレート店「マニュファクテュール」の店内

少々値は張るのですが(板チョコ14€、一番小さい12個入りの詰め合わせで19€等)、日本に持ち帰るのが季節的に難しいようであれば、旅のお供に買い求めても良いかもしれません。

べジュマン&バートン

バスティーユからレピュブリックに向かって歩いていくと右側に紅茶専門店べッジュマン&バートン Betjeman & Barton(24, boulevard des Filles du Calvaire) があります。東京、銀座シックスの地下にもブティックがありますね。

余談ですがフランスは紅茶のブレンド技術が世界で一番発達した国で1854年創業の老舗マリアージュ・フレール Mariage&Frèresをはじめ、イギリス系のべジュマン・バートン(フランス人ベッジュマンとイギリス人バートンが1919年パリで創業)、ロシア系のクスミ・ティー(1917年ロシア革命の混乱を避けてパリに拠点を移した)等、様々なフレーバーの紅茶が現在進行形で生み出されています。

この他日本にはまだ店舗が存在しないので知名度は低いですが、ダマン・フレールDammann Frèresの紅茶もお勧めです。バスティーユから徒歩圏内のヴォージュ広場にあります(15, Place des Vosges 75004 Paris)。

パリ・リヨン駅を背に右側を見るとレンガ色のアーチの連なりが見えます。これはかつてバスティーユから郊外に行く電車の線路だったものを家具や楽器、宝飾品等の職人のブティック街に転換したものです。お洒落なカフェもあります。

ヴィアデュック・デ・ザール

高架の上部は緑豊かな遊歩道になっており、散歩を楽しむことができます。

6. バスティーユ・オペラ

世界の3大オペラ座と言えばニューヨークのメトロポリタン歌劇場、ミラノのスカラ座、ウィーンの国立歌劇場ですが、4番目はロンドンのコヴェントガーデンか、パリのオペラ座か、バルセロナのリセウ劇場かという所で意見が別れるようです。

勿論どこも最高級のオペラ・バレエが鑑賞できることには変わりありませんが。

バレエはと言えばロシアのボリショイ・バレエに次いでフランスが第2の地位を占めています。

オペラ・バスティーユ

パリには、元から存在するオペラ・ガルニエ(建築家ガルニエが設計)と、元大統領フランソワ・ミッテランがガルニエ宮の負担を軽減し「近代的で庶民的な」オペラ座を創設することを目的として建設されたオペラ・バスティーユがあります。

オペラ・ガルニエの方は歴史を感じさせる豪華絢爛な劇場ですが演目は斬新な(突飛な?)演出のバレエ公演が多く、オペラ・バスティーユの方は近代的な建物でオペラや、オーソドックスな振り付けのバレエが上演されることが多いようです。どちらかというと古典的内装のガルニエでオーソドックスなバレエを鑑賞したい所ですが

公演終了は夜遅くになり、1日の終わりで疲れていますから、すぐにホテルに戻れるのは安心です。

7. レ・ミゼラブルの舞台

ヴィクトル・ユゴーの名作レ・ミゼラブル(邦題「ああ無情」)の舞台になった場所が近くにたくさん。書籍でこの名著に親しんだ人もミュージカルでこの作品が好きな人もこの界隈を散策(巡礼?)するのはマストですね。

ジャン・ヴァルジャンに助けられたコゼットは、リヨン駅から徒歩15分程のピクピュス修道院で教育を受けましたし、健気な少年ガヴローシュはバスティーユ広場に存在していた巨大な象の構築物の中に住み、時々はオーステルリッツ界隈に済む両親テナルディエの住まいに赴いていました。

オーステルリッツ駅はリヨン駅から橋を渡ってそう遠くない所にあります。ガヴローシュの姉エポニーヌもそこに住んでいました。ジャン・ヴァルジャンと養女コゼットが慈善事業のためにテナルディエ家を訪れ、危うくテナルディエの計略の的になりそうになりました。

テナルディエ家の隣には富裕な家庭の出自でいながら革命に参画するマリユス・ポンメルシーが住んでいましたし、そのマリユスの父親はバスティーユからメトロで1駅のフィーユ・デュ・カルヴェールに居を構えていました。ジャン・ヴァルジャンがマリユスを背負い、下水道を通って父親の元に送り届けた場所です。

そしてヴィクトル・ユゴー自身、バスティーユからそれ程遠くない、ヴォージュ広場に面した邸宅の3階(フランスでは2階と数える)に1832年から16年間 280平米の居を構えていました(6 Place des Vosge)。レ・ミゼラブルの大部分を書き上げた書斎も含め見学できるようになっています。

8. 都市開発的にデファンスの対極にある街

都市開発を学んだフランス人に聞いた話なのですが、中庸やバランスを重んじるフランス人は片方に偏りが生じるのを嫌がり、この性質はパリの都市開発にも顕著に現れているとのことです。

東のヴァンセンヌの森に対し西のブーローニュの森、北にモンマルトル墓地があれば南にはモンパルナス墓地、北方に行くための北駅に対し南に行くリヨン駅、北のシャルル・ド・ゴール空港と南のオルリー空港、等々。リヨン駅界隈に行ってみると気づくかもしれませんが、RATPやNatixis等の高層ビルが立ち並んでいますが、これは西のラ・デファンスのビジネス街と好一対を成すものだとのことです。

故フランソワ・ミッテラン元大統領がフランス革命200周年に合わせて打ち出したパリ大改造計画は以下に見るように壮大なものでした。

美術
  • ルーブル宮の一翼に入っていた財務省を新開発地域ベルシーに移す
  • オルセー駅を美術館に改修して印象派美術品をここに集中(それにしても駅を美術館に転換するってすごい発想ですね)
  • こうしてできたルーブル美術館の空間にそれまで眠っていた美術品を展示
  • この一環でガラスのピラミッドを正面に建造。
音楽
  • パリ北部に音楽都市Cité de la musiqueを建設
  • 古風なオペラ座に対し斬新なオペラ・バスティーユを建設
学術
  • オペラ地区にある国立図書館はそのままだと全ての蔵書スペースに限界があったため、ベルシーの近接地域に近代的な新国立図書館を設立
  • バスティーユから遠くない場所に近代的なアラブ世界研究所Institut du Monde Arabeが設立され、イスラム文化の研究・紹介が行われています。

ある意味、これら美術・音楽・学術といった文化的施設の新設自体、ベルシー地区での財務省の新オフィス建設と対応が取れているように見えます。

そして東側でベルシー、バスティーユ地区が再開発される一方で、西に新凱旋門Grande Arche(凱旋門型の通信センター)が建設されています。

9. ホテル

以上、パリ・リヨン駅がパリ観光に最適な8つの理由を挙げました。では具体的にどのホテルに滞在すれば良いのか?独断と偏見でお勧め順に列記したいと思います。全てBooking.comで予約できます。

1. コーティヤールCourtyard by Mariott

マリオット系列で2018年6月にオープン。上階ならエッフェル塔が見える部屋、サクレクール寺院が見える部屋もあります。駅から徒歩1分。超近代的な4つ星クラス。

209-211 rue de Bercy 75012 Paris

2. メルキュール・パリ・リヨン駅 Mercure Paris Gare de Lyon TGV

駅から徒歩0分(駅に隣接)。4つ星。

メルキュール、ノヴォテル、イビスは高品質な近代的ホテルのチェーンなので安心して利用できます。

2 Place Louis-Armand 75012 Paris

3.イビス・パリ・リヨン駅 Ibis Paris Gare de Lyon Ledru Rollin

パリ・リヨン駅(徒歩7分)とバスティーユ広場(徒歩10分)の中間。

3つ星。気候の良い季節なら中庭で朝食を取ることも可能。

41-43 avenue Ledru Rollin 75012 Paris

4. ノヴォテル・パリ・リヨン駅 Novotel Paris Gare de Lyon

駅から徒歩2分。4つ星。最上階にテラス付きの部屋があります。

2 Rue Hector Malot 75012 Paris

5.パリム Palym

駅から徒歩2分。3つ星。古い外観ですが、部屋はグレーを基調にしたシックな内装。浴室も近代的な設備。

4 rue Emile Gilbert 75012 Paris


Gare de LyonとかBastilleという名称が付いていても、実際は徒歩15〜20分かかるようなホテルもありますから、上記以外を利用する時は地図で場所を確認すると良いかと思います。

下の地図では自動的に本日の値段(最高値)が表示されています。実際に行く日付を入力すればその日の料金が表示されます。



Booking.com

上記以外で、ここがお勧めというホテルがあったら是非お知らせくださいね。