フランスを旅行する日本人に大人気のモン・サン・ミシェル。行き方は色々ありますが、大別すると3種類。手軽に日本出発の本体ツアーに組み込みで行くか、個人旅行でローカル線とバスを乗り継いで行く方法、またはその2つの折衷で基本個人旅行で、インターネットで現地代理店のオプショナルツアーに申し込むか。
1.日本からモン・サン・ミッシェル観光が組み込まれているツアーに参加
日本の旅行代理店でモン・サン・ミシェル観光が組み込まれているツアーを申し込むか(本体ツアーの料金に含まれる)、現地に着いてからオプショナルツアーを申し込む(現地払い)の2通りが考えられます。
本体ツアーの中で自由行動の日が設定されている場合が多く、グループとは離れてパリ市内を自由に観光したり、希望者は代理店が用意するオプショナル・ツアー(有料)に参加することができます。パリ行きならガイド付きでヴェルサイユ観光やルーブル美術館見学、モン・サン・ミシェル等が用意されているかと思います。
メリットは日本出発時にも申し込めるし、現地に着いてから決めることもできる点。またパンフレットに掲載されているし、添乗員からの案内もあるので、こういうオプショナル・ツアーもあるんだという気づきもあるかもしれません。
ただ友人と気兼ねなく観光を楽しみたいタイプの人には少し窮屈かもしれませんね。また本体ツアーの会社が提供する商品に限定されてしまいます。
2.個人旅行で、自分で情報収集、現地交通機関を駆使してモン・サン・ミッシェル観光
安く行けるし、友人や家族とだけで気軽に観光を楽しむにはこの方法が一番。ウェブサイトやガイドブックで最新の時刻表やおすすめ道順など情報収拾、こういった準備も旅行の楽しみの一部という人向け。
パリ・モンパルナス駅からTGVでブルターニュ地方の中心都市レンヌに行き、駅に隣接したバスターミナルからバスでモン・サン・ミシェルに行くルートが一般的です。TGVがレンヌ駅に到着するのに合わせてバス発車時刻が組まれており、万一電車が遅れた場合バス発車を遅らせる等の配慮があり接続はスムーズです(帰りのバスのレンヌ到着が遅れた場合は次のパリ行きTGVに乗車すれば良い)。
↑写真は2018年8月現在 近代的な駅になるための工事最終段階のもので、なんか雑然としていますね。
行き
(モバイルでご覧になる場合は横置きにすると見やすく表示されます。)
往路 | 月〜土 | 日曜 | 毎日 | 月〜土 | 日曜 | 毎日 |
---|---|---|---|---|---|---|
祝日 | 含む | 除く | 含む | 含む | 除く | 含む |
サービス番号 | 101 | 103 | 105 | 107 | 109 | 111 |
パリ・モンパルナス駅発TGV * | 07:44 | 08:10 | 09:57 | 10:57 | 12:14 | 14:57 |
レンヌ駅着 | 09:37 | 09:54 | 11:25 | 12:25 | 14:07 | 16:25 |
レンヌ・バスターミナル発 バス | 09:50 | 10:15 | 11:45 | 12:45 | 14:30 | 16:45 |
モン・サン・ミッシェル着 ** | 11:00 | 11:25 | 12:55 | 13:55 | 15:40 | 17:55 |
* TGV発車時刻は目安として表記。チケット購入時に確認要。
** バス停留所は通称ル・ヴェルジェLe Vergerと呼ばれる場所にあり、修道院のある島には橋を渡って行きます。徒歩(45分)か無料バス(25分)、あるいは有料の馬車(35分)で移動。
帰り
復路 | 毎日 | 月〜土 | 日曜 | 毎日 | 毎日 |
---|---|---|---|---|---|
祝日 | 含む | 含む | 除く | 含む | 含む |
サービス番号 | 102 | 104 | 106 | 110 | 108 |
モン・サン・ミッシェル発バス | 10:05 | 11:20 | 13:05 | 14:05 | 18:05 |
レンヌ・バスターミナル着 | 11:15 | 12:30 | 14:15 | 15:15 | 19:15 |
レンヌ駅発TGV | 11:35 | 12:52 | 14:35 | 15:35 | 19:37 |
パリ・モンパルナス駅着 | 13:04 | 14:47 | 16:04 | 17:04 | 21:04 |
行き最初の3便は日帰り、最後の便は現地宿泊の場合を想定していると思われます。
レンタカーでアクセスする場合 駐車料金は2時間半未満で6.5ユーロ、それ以上は1日料金12ユーロになってしまうので、車で行く場合も2時間半で観光を済ませるのが一般的です。もちろん、対岸から島への往復1時間前後を含めてです。
車があれば時間の制約なしに自由に観光できるのになぁと思うかもしれませんが、意外とこんな制約があるんですね。
島内の歩き方
島の入り口からは坂道の参道を登って行きます。左右に土産屋やレストランが軒を連ねているのは観光地の常ですね。10〜15分ほどで修道院の入り口に到着すると思います。修道院の入場料は大人1名10ユーロで、日本語の説明書きを無料で入手できます。入ってから出口まで見学ルートは1つ、順路に沿って進めば良いようにできています。
食事は、島に入ってすぐのメール・プラールのふわふわのオムレツが名物ですが、オムレツ1つで34ユーロもする(!)ので、値段の割に…と失望を覚えるお客さんが多いようです。
メール・プラールにこだわらなければ参道沿いにもっと安く食事できる場所があります。例えば参道を登って行く途中の右側、土産物屋の中を抜けてテラス側に出ることができます。海に向かって開かれたテラスでの食事もしくは軽食はなかなか快適です。お茶するのであれば、ここはブルターニュですから定番のクレープ&シードルが良いかも。迷うようなら塩キャラメルのフレーバーで。
夜のモン・サン・ミッシェル
夜はライトアップされた島内を散策できるので島内にある高級ホテルに泊まるのも良いですね。
いやいやモン・サン・ミシェルの美しさは海に浮かぶ島の全体像を対岸から眺める場合に引き立つ、という人は無料バスで島に向かって1停留所目で下車した所にあるホテルに一泊すると良いかもしれません。ここにはいくつかのホテルやレストランがあります。これは修道院見学だけでなくモン・サン・ミシェルの夜景も見たいという人向けです。
Booking.com3.基本 個人旅行で、現地代理店が催行するツアーに参加。
飛行機とホテルを自分で手配、現地では全て自由行動という旅のスタイル。友人や家族とだけの旅です。個人でも安く旅行商品が購入できる時代ですから、ますますこのようなスタイルに近づいてくるのではないでしょうか。飛行機とホテルだけの予約で後は全て自由行動といった通称「エアホテ」を販売する等 日本の代理店も順応しているように見えます。
代理店は航空会社やホテルと多くの取引があり、有利な価格を提案できる強みがあります。なので安心できる旅行代理店でエアホテを予約するのも良いかもしれません。
そして自分でインターネットで現地催行ツアーを探して申し込めば良いのです。日本語で申し込みから精算までできるので便利です。Paris City Vision、Emi Travel、みゅう、My Bus、Veltra等がモン・サン・ミシェルへのオプショナルツアーを扱っています。
Paris City Vision
Paris City Visionは1929年創業、現在ではフランス国内・ヨーロッパ諸国の50カ所以上で350を超えるツアーを扱っています。欧州エリアに限定してオプショナルツアーに特化している訳ですね。アメリカ系だと思われます。世界各国からの旅行者と一緒になりますから、日本人グループで見学するのとは違った楽しさがありそうですね。
食事付き、現地滞在時間4h30)150€〜。集合場所はParis CityVision営業所前(2 rue des Pyramides 75001 Paris、最寄駅はM1のTuillerieかPalais Royal、M14のPyramide)
みゅう
みゅうはミキ・トラベル系列でヨーロッパのオプショナルツアーに特化した現地代理店。2019年5月の火災で損傷したノートルダム再建のため売上の一部を寄付するという意識の高さも伺えます。
スタンダード(日本語ガイドおよび名物オムレツ付き)155€〜。午前中は田舎村訪問、モン・サン・ミシェル滞在時間は 3h 45。出発はギャラリーラファイエット本館の角玄関前(オペラ座の裏手ですね)。
Emi Travel
Emi Travelはオプショナルツアーに特化しパリで営業する日系の旅行代理店です。必ず日本人アシスタントが付くので安心感があります。午前中は田舎の村を訪問、モン・サン・ミシェル滞在時間は3時間。7月下旬〜10月末は名物オムレツ・ランチが付くことも。
日本語ガイド・田舎村ビジットが付いて大人1人130€。出発はパリ1区のエミトラベル・サポートラウンジ(3 rue Mollière 75001 Paris、最寄駅はM1のPalais Royal、M14のPyramide)。
MY BUS
MY BUSはJCB系列でヨーロッパ諸国でオプショナルツアーを提供しています。JCBの本体ツアーに参加しなくてもパリの営業所で申し込むことができます。
モン・サン・ミシェルとオンフルール観光がついて118€から。オムレツ・ランチ付のツアーもあり。集合場所はピラミッド通りのMY BUS社の前。現地滞在時間4時間弱。
Veltra
Veltraは世界150カ国で27000ものオプショナルツアーを提供している日系の会社です。オプショナルツアーに特化している訳ですね。ただし自社催行ではなく、他社のオプションを販売しているようです。もちろん催行会社と同じ売値です。モン・サン・ミシェルに着いては2つのプランが用意されており、上記 My Bus、みゅうが主催するものを扱っています。
上記それぞれの会社で特徴がありますから、各社のサイトで商品を比較して自分の求めるものを見つけると良いかと思います。
大人1名120〜140€でバス往復、修道院見学、ガイドによる説明、ツアーによっては昼食が付いている、他の村も同日中に観光できる等、かなり好評です。更に言えば言語や交通に関する不安なしに旅行できるという安心料込みということになりますね。
日本人団体客に混じって観光すると興冷めしてしまう方にはCityVisionがお勧めかも。
まとめ
世界遺産モンサンミッシェルへの行き方3通りを見てきました。
1番目は日本の旅行代理店が主催するフランス旅行で、モンサンミッシェル観光が組み込まれているツアーに参加するか、その旅行会社が扱っているモンサン行きのオプションに参加する方法。全て同一の会社で購入できるので簡潔ですね。
2番目は、全部自分たちで旅行計画を組み立てる旅行慣れした方向け。自在に現地の交通網を駆使して、現地に滞在してモンサンミッシェルの夜景を見たり、レンヌに滞在してブルターニュの他の村を観光しに行くことも可能です。
3番目に紹介した方法もなかなか魅力的です。基本は個人旅行、モンサンミッシェル観光のみバスやヴィジットがセットになったオプションに申し込むという方法です。これなら仲間うちだけで観光できるし、集合時間・場所のみ留意すれば時刻表など調べる必要もなく効率的に観光できますね。